相続問題

相続に強い弁護士による遺産相続の解決事例⑤

この記事を書いたのは:田中 伸明

22名の相続人との間で、地道な交渉を行い遺産分割協議を成立させることができました

(ご相談内容)

30年前に亡くなったお父様(以下、被相続人といいます)の遺産相続についてのご相談です。遺産は自宅、預貯金、上場株式。遺言書なし。30年間遺産分割をすることができず、兄弟姉妹の中にはすでに亡くなられたかもいるため、そのお子さん(被相続人の孫。代襲相続人)も含めると相続人が22名になっていました。ご相談者様としては自分が生きているうちに解決したいとのご相談です。

(解決内容)

まず相続人調査が必要ですが戸籍の取得に半年を要しました。その後、相続人全員にご相談者様への相続分譲渡を申し入れました。大半は相続分譲渡に応じていただけましたが、数名の相続人が拒否をされたので、法定相続分の分割を打診しましたが、それでも応じてくれない相続人が2名残りました。そこで、家庭裁判所に調停の申し立てを行い、裁判所を通じて法定相続分での分割を提案したところ、裁判所からの説得もあり、ようやく遺産分割協議が成立しました。相続分譲渡によりご相談者様の取得分は法定相続分を大きく上回ることができましたし、半ば解決を諦めていた遺産分割を自分の代で解決できたということで大変に喜んでいただくことができました。

(弁護士のコメント)

今回のケースでは長年にわたって遺産分割を放置してしまったために二次相続まで発生し代襲相続人を含め相続人が多数となってしまいました。遺産分割が長期間未解決でいると相続人が増えてしまうことも大変ですが、相続人の中に高齢のため認知症になってしまったり、行方不明者が発生してしまうリスクもあります。もっとも、このような場合でも解決は不可能ではありませんので、諦めずにご相談いただければと思います。


この記事を書いたのは:
田中 伸明