相続問題

相続に強い弁護士による遺産相続の解決事例②

この記事を書いたのは:田中 伸明

遺産である自宅不動産の評価について不動産会社の査定書を使うことで、ご相談者様の取得分を大幅に増額することができました

(ご相談の内容)

お父様(以下、被相続人といいます)の相続で、相続人は長男(以下、相手方といいます)、二男、長女の3名。遺言書なし。実家は被相続人と同居していた相手方が取得することになりましたが、各相続人の取得分を計算をするに際して、相手方は不動産の価格は固定資産税評価額で計算するべきだと主張しています。ご相談者様からは、不動産の価値をどのように決めればよいのかわかりませんとのご相談がありました。そこでご相談者様からウェブサイトを通じてご依頼を頂き、相手方との交渉を開始することになりました。

(解決内容)

まずは当職の方で不動産会社に依頼をして不動産の取引価格に関する査定書を作成してもらいました。査定額は固定資産税評価額のおよそ2倍の金額でした。当職は、相手方にこの査定書を開示し、裁判実務上、不動産の評価額は時価額とされていることを説明しました。すると相手方も弁護士に相談したようで、相手方からも不動産会社作成の査定書が提出されました。そこで、交渉の末、お互いの査定書の中間金額を実家の評価額とすることで協議が成立することになりました。その結果、ご相談者様の取得分を、実家の評価を固定資産税評価額で計算した場合よりも大幅に増加することができました。

(弁護士からのコメント)

裁判実務上、不動産の評価額は基本的には時価とされていますが、この時価を決める際の基準は明確には決まっていません。不動産の価値を評価する基準としては、固定資産税評価額、路線価、不動産業者による査定額、不動産鑑定士による鑑定額などがあり、この中から相続人間で協議していくことになります。もっとも、固定資産税評価額は時価の5割~6割といわれており、一方で不動産鑑定士による鑑定には多額の費用がかかることがあるため、弁護士が交渉を行うに際しては不動産会社による査定額を基準として交渉していくことが多いと思います。


この記事を書いたのは:
田中 伸明