消費者問題

半世紀近く前に生まれたペットボトルのひとりごと

この記事を書いたのは:高橋 寛

1 春日井市に住んで、名古屋市内の会社に通勤しているAさんは、休日の午後、自宅の机に向かってパソコンのキーボードを叩いて、ユーチューブ動画を見ながら、休日をくつろいでいます。

パソコン横には、飲みかけのジュースが入ったペットボトルが1本立っています。Aさんの足元にも空になったペットが1本転がっています。このペットボトルは、Aさんが前の日、会社からの帰りにと豊山町のコンビニで買ってきたものです。

今や私たちの生活に深く関り合いをもっているものの一つに、ペットボトルがあります。今回はペットボトルのつぶやきに耳を傾けてみましょう!!🤷‍♂️🤷‍♂️🤷‍♂️

2 ペットボトルの先祖返り

 50年以上前の映画を観ると、そのころ既に普及していた飲料水の自動販売機が背景に映っています。今でもそうですが、自動販売機で売られている商品の双璧は、飲料水とタバコではないでしょうか。

 ところが、50年以上前の自動販売機に並んでいる飲料水は、瓶(びん)とか、缶(かん)に入っていますね。そのころは、まだペットボトルは生まれていません。ペットボトルはいつごろ、誰によって発明されたのでしょうか? 

 とりあえず、最寄りの春日井市役所へ行って、ペットボトルの戸籍謄本を取り寄せ、何代か前の先祖まで遡ってみましょう。

(1) 春日井市役所から取り寄せた戸籍謄本を手掛かりにいろいろ遡ってみると、ペットボトルの先祖はアメリカ生まれということが分かりました。

 ペットボトルの基礎的な技術が確立したのは、1967年ころだそうです。1970年代半ばに、アメリカのデュポン社のナサニエル・ワイエスという研究者がペットボトルの生みの親です。この人がPETという材料を発明し、この発明は、ぼとる(容器)の原材料として採用されました。世界初のペットボトル入り飲料は、炭酸飲料でした。

(2) 日本では、アメリカの技術を取り入れ、1877年に醤油(しょうゆ)の容器として、初めてペットが採用されています。その後、1982年に、当時の厚生省からペットボトルが清涼飲料水の容器として認可されたことがきっかけで、一気にペットボトルが普及しました。

 そのため、50年以上前の自動販売機には、ペットボトルの容器に入っている飲料水は、未だ影も形もありません。

(3) さらに、ペットボトルの原戸籍を調べると、ペットボトルの先祖は石油だということが分かってきました。

3 ペットボトルよ、そもそも君は何物なの?

(1) ペットボトルは、合成樹脂の一種であるポリエチレンテレフタラート(PET)を素材に使って製造されている容器です。ペットボトルの約90%は飲料用の容器として利用されています。

(2) 春日井市や隣接する小牧市内に限らず全国的に、ペットボトルは飲料用の容器としての利用以外にも、化粧品とか調味料の容器としても広く利用されています。以前はガラス瓶とか缶や陶器などに入れていた調味料や化粧品の一部がペットボトルにとって代わられた、と言えますね。

(3) ペットボトルの材料となるポリエチレンテレフタラートは、ポリエチレンテレフタレートとも言われています。その原材料は、多くのプラスチックと同じように石油です。

4 ペットボトルの兄弟姉妹たち

石油を原材料として生まれたペットボトルには、次のような兄弟姉妹たちがおり、どの兄弟姉妹も生きがいをもって活躍しています。

(1) ポリエチレン

 ポリエチレンもペットボトルと同じように、耐薬品性や電気絶縁性に優れた材料です。その多くはビニール袋として利用されていますが、ポリエチレンテレフタレートに比べると柔らかい素材ですから、傷つきやすく、透明性も低いので薄い乳白色に見えるものもあります。

 ペットボトルがPETと表記されるのに対し、ポリエチレンは略してPEと表記されます。

(2) ポリ塩化ビニル 

 ポリ塩化ビニルは、耐薬品性、電気絶縁性、難燃性、耐候性に優れています。しかし、ポリエチレンテレフタレートに比べると耐熱性に劣る素材です。

 ポリエチレンテレフタレートは150℃くらいまでの熱には耐えられますが、ポリ塩化ビニルは、70℃から80℃の熱で溶け始めてしまいます。

 春日井市や豊山町に限らず多くの一般家庭では、ビニールと呼ばれています。スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、レジ袋として活躍していますね。

 ペットボトルがPETと表記されるのに対し、ポリ塩化ビニルはRVCと表記されます。

(3) ポリプロピレン

 ポリプロピレンは、ポリエチレンテレフタレートよりも安い価格で取引されています。しかも、耐熱性や耐薬品性にも優れていますから、この素材はペットボトルと同じような用途に使われています。

ところが、ポリプロピレンは、低温の環境に置くと衝撃に弱いので、取り扱いには注意が必要です。

ペットボトルがPETと表記されるのに対し、ポリプロピレンは、PPと表記されます。

5 ペットボトルとプラスチックは、どのように違うのでしょうか?

 プラスチックはペットボトルと同じ原料で作られています。プラスチックの代表的なものがポリスチレンです。ポリスチレンは、プラモデル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどに使われています。また、繊維に使われているのがナイロンとかポリエステルです。

いずれにしても、ペットボトルとプラスチックは同じ先祖が石油ですから、親戚ということになります。

6 ペットボトル入りの飲料は、いつまで飲めますか?

(1) 直接口をつけてペットボトルの飲料を飲んだ場合は、開封してから8時間以内を目安に飲んでください。

(2) ペットボトルの飲料をコップなどに移して飲んだ無糖の飲料水、青汁飲料水は、冷蔵庫に保管した上で2日から3日以内を目安に飲んでください。

また、青菜飲料や果汁飲料(ジュース類)は、冷蔵庫に保管して3日から4日以内を目安に飲んでください。

7 ペットボトルは、いつから500mlになったのですか?

 日本で最初にペットボトルが使われたのは、1977年に醤油(しょうゆ)の容器でしたね。そのときの容量が500mlだったことから、ペットボトルのサイズは500mlとして普及し、その後清涼飲料用として一気に使用が拡大しました。

 もちろん、500mlより大きいサイズのペットボトルも小さいサイズのものもありますが、今でも500mlサイズのペットボトルが多いようです。

8 今やポリエチレンテレフタレートは日常生活の必需品です。

  ポリエチレンテレフタレートはは、ペットボトルやポリエステルに製品化されて、私たちの日常生活に大変な利便性を与えてくれています。

 また、工業用という面では、フィルムとか磁気テープや電子機器の部品などに幅広く取り入れられています。そして、耐衝撃性に弱点があるため、工業用に利用される際はガラス繊維を混ぜて強化したFRPとしてしようされています。

 いずれにしても、ペットボトルやその兄弟姉妹たちは、その利便性ゆえに、私たちの日常生活の面でも、工業用という面でも、今や必需品になっています。

 しかし、その原素材が石油ですから、一旦製品化されると腐食しないでいつまでも土に還りません。そのため、地球規模での公害源の一つという厄介者にもなっています。

 脱炭素化が叫ばれている現代社会にあって、持続可能な開発目標(SDGs)を実現するためにも、ペットボトルやビニール袋などの循環型再利用をさらに工夫し、生命に満ちた「青い星・地球」を未来の子供たちに、瑞々しく安心して住むことができる星として引く渡したいと思いますね。

9 使用後のゴミとして厄介なペットボトルやプラスチックなどにまつわるトラブル、その他公害問題などでお困りの場合は、経験豊富なスタッフがご相談に応じますので、旭合同法律事務所へお気軽に声掛けください。


この記事を書いたのは:
高橋 寛