刑事事件

ストーカー規制法が改正されてGPS機器等を利用した位置情報の取得等も規制されますので規制概要について色々と解説します

この記事を書いたのは:木下 敏秀

1 GPS機器等を利用した位置情報の取得が規制されます

 ① 本人の承諾なく、本人の所持している位置情報記録・送信装置(GPS機器等)の位置情報を取得すること

 ② 本人の承諾なく、本人の所持する物に位置情報記録・送信装置(GPS機器等)を取り付けること

が改正法によって規制されます。

【具体例】

 本人の使用する車に勝手にGPS装置を取り付けることや取り付けたGPS装置の位置情報を勝手に取得することが規制されます

2 実際にいる場所について押し掛ける等の行為が規制されます

 本人の「住所」「勤務先」「学校」等の普通にいる場所に加えて、たまたま「実際にいる場所の付近」において、「見張る」「押しかける」「うろつく」等の行為が改正法によって規制されます。

【具体例】

・本人がたまたま立ち寄った喫茶店に押し掛ける

・本人の旅行先の公園付近をうろつく

3 本人が拒否したのに繰り返し文書を送る行為が規制されます

「電話」「FAX」「電子メール」「SNSメッセージ」に加えて、本人が拒否したのに、繰り返して、文書を送る行為が改正法によって規制されます。

 【具体例】

 ・本人の自宅に毎日手紙を送る

 ・本人の自宅の郵便ポストに何度も手紙を入れる

4 ストーカー規制法の改正の背景

 元交際相手の自動車にGPS装置を勝手に取り付けて、その位置情報を取得する事件がありました。最高裁では、従来のストーカー規制法では、このような見張り行為は法律上の違反行為に該当しないと判断しました(最高裁令和2年7月30日判決)。

 昨今では、GPS装置を利用したストーカー行為が増加していることもあり、国会で審議がされて、法令が改正されるに至りました。

5 証拠の確保が大切です

 ストーカー規制法で規制される対象は、恋愛感情など好意の感情・その感情が満たされなかったことへの怨念の感情を充足させる目的が要件になっていますので、行為自体を含めその裏付証拠の確保も大事です。つまり、近隣紛争や金銭問題の事例は対象外となります。

 証拠確保の方法としては、「防犯カメラ」「音声の録音」「対象の写真撮影」「電子メール」「SNSメッセージのスクリーンショット」等が基本的な証拠になりえます。確保した証拠はバックアップして紛失・損壊の予防をすることも大切です

6 ストーカー対策の問題は旭合同法律事務にご相談ください

 旭合同法律事務所は民事・刑事を含めてストーカー規制法に対して経験豊かな弁護士が担当しております。

 ストーカー行為も種類が多岐に渡り、時代と共に変化しています。

 旭合同法律事務所ではストーカー対策に関する実例研究も重ねております。旭合同法律事務所の弁護士に早めにご相談ください。


この記事を書いたのは:
木下 敏秀