ゴールド免許で一時停止違反をし無事故無違反で半年後に免許更新を迎えますが、ゴールドを維持できますか。
この記事を書いたのは:高橋 寛
春日井市に住んでいるAさんは、ゴールド免許を持っていましたが、瀬戸市内で一時停止違反(点数2)をし、その後は何らの違反も事故も起こさず6か月たちました。
特例で点数がリセットされゼロになり免許更新を迎えました。違反点数がゼロなので更新後もゴールド免許を貰えると思っていたのに、交付された免許証はブルーでした。
なぜでしょうか。本稿では運転免許証の色や違反点数などについて説明します。
1 運転免許証の色は、ゴールドなど3種類あります。
(1) グリーン免許証
初めて免許を取った人は、有効年の帯の部分がグリーンの免許証が交付されます。
グリーン免許の有効期間は3年です。
(2) ブルー免許証
① 継続して免許を5年以上保有し、違反を数回したり、ケガのある交通事故を起こしたドライバー(違反運転者)、又は免許歴が5年に満たない初回更新のドライバーには、帯の色がブルーの免許証が交付されます。
この免許証の有効期間は3年です。
② 継続して免許を5年以上保有し、かつ、3点以下の軽微な違反が1回だけのドライバー(一般運転者)には、帯の色がブルーの免許証が交付交付されます。
この免許証の有効期間は5年です。
(3) ゴールド免許証
次の3つの条件を全て満たしているドライバー(優良運転者)には、帯の色がゴールドの免許証が交付されます。
① 5年以上継続して免許を保有している。
② 違反をしていない。
③ ケガのある事故を起こしていない。
ゴールド免許証の有効期間は5年です。
ただし、ブルー免許の一般運転者にも共通しますが、更新期間満了日の直近誕生日より40日前(更新基準日)に70歳の人は免許の有効期間が4年です。
また、同様に基準日に71歳の人は、免許の有効期間が3年です。更新時に交付を受けた免許証に記載されている有効期間を必ず確認しておきましょう。
2 ゴールド免許が剥奪される条件は、次のとおりです。
(1) 5年以内に交通違反があった。
更新時直近の誕生日の41日前からさかのぼり、5年間に軽微な違反をした事実があれば、更新の際にゴールド免許を失います。免許更新で交付されるのは、ブルー免許です。
見方を変えると、更新時直近の誕生日の20日前に軽微な違反があっても、他に違反やケガのある事故を起こしていなければ、更新のときゴールド免許が交付されます。
しかし、その次の更新時にはゴールド免許が剥奪されます。
(2) 5年以内にケガのある事故を起こした。
交通事故を起こして相手にケガをさてしまう人身事故を起こした時点で、次回の更新時にゴールド免許ではなくなります。
(3) 物損事故や自損事故の場合はどうでしょうか。
相手にケガのない物損事故や自損事故の場合は、違反点数や反則金を科せられることはなく、ゴールド免許を維持できます。
ただし、物損事故を含む交通事故を起こした時は、緊急措置義務や警察への報告義務が課せられています。その義務を怠ると当て逃げと認定されます。
当て逃げは、5点の付加点数が加えられますから、更新時にゴールド免許が剥奪されます。
(4) 違反点数が付かない違反もあります。
泥はね運転や免許証不携帯は、取り締まりに遇うと反則金を支払う必要はありますが、違反点数は付きません。そのため、更新時にゴールド免許を維持することができます。
3 3か月特例で点数はリセットされます。
違反点数が累積していくと、免許停止や免許取消の行政処分を受けることになります。
しかし、2年間無事故・無違反であったドライバーの場合は、軽微な違反(3点以下)をしてから3か月以上無事故・無違反であったとき、その軽微な違反による点数が累積されなくなる特例が適用されます。
その結果、点数はリセットされ、ゼロになります。
4 点数がゼロになっても、違反した事実は変わりません。
3か月特例で点数がゼロになっても、あくまで軽微な違反をしたという事実は残ります。
そのため、免許更新の時はゴールド免許が剥奪されます。すなわち、免許証の色は、過去5年間の違反歴・事故歴で決められるため、違反点数の累積がゼロになっても、違反があったという事実は変わらないので、ゴールド免許を維持することができなくなります。
5 交通事故に関する案件は、旭合同法律事務所にご相談ください。
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この記事を書いたのは:
高橋 寛