高齢者が自分で財産の管理をすることが不安な場合の財産管理の問題、死後の遺産の分割方法等を自分で決める場合の遺言、死後の遺産を相続人等で協議する場合が相続の問題になります。
旭合同法律事務所春日井事務所にご相談ください
財産管理でお悩みの方
高齢で身寄りもなく自分で財産を管理することや認知症になった場合の管理不能となることが不安ですがどうすればいいか。弁護士に財産の管理を委任する財産管理契約と同時に任意後見契約を締結する方法があります。任意後見契約は、将来、自分の判断能力が不十分になるときに備えて自分の希望する後見事務の内容と後見事務を任せる人を予め決めておく契約になります。
遺言でお悩みの方
公正証書遺言のメリットを知りたいです。自筆証書遺言は全文を自筆で書く必要がありますが(パソコンでの作成は認められません)、公正証書遺言は公証人に内容を伝えて、それをもとに公証人が作成しますので自筆で遺言書を書く必要がありません。自筆証書遺言では訂正の仕方が違うというだけで無効になるリスクもあります。自筆証書遺言書の場合は紛失、盗難、焼失等により遺言を実現できないリスクがあります。しかし、公正証書遺言は公証役場に保管されますのでこのリスクは回避できます。更に、自筆証書遺言を発見した時は家庭裁判所の検認を受ける必要がありますが、公正証書遺言は検認が不要であるのでスムーズに手続きが実施できます。
相続人の所在不明でお悩みの方
長い間遺産相続の手続きをしていないので不動産が亡先祖の名義のままです。相続人には所在が不明の人がいますがどうすればいいか。相続人が行方不明の場合には、家庭裁判所に相続人の不在者財産管理人の選任の申立をする必要があります。裁判所が選んだ不在者財産管理人を相手として遺産分割の協議をすることになります。
弁護士に相談するメリット
スムーズな解決
長期間に渡って遺産問題を放置した場合、関係する相続人の人数も多く人間関係も希薄となります。場合によっては全く人間関係がなく戸籍によって初めて認識した相続人が存在する可能性もあります。このような場合、全ての相続人と接触・交渉することは容易ではなく相手方に不安を与えることもあります。代理人弁護士として各相続人に連絡するほうがスムーズに早期に解決できることが期待できます。
適切なアドバイス
遺言作成においては、配偶者の住居を確保したいとか、遺言執行者を誰にするか、遺留分減殺請求に対する対応をどうするか等の専門的な知識が必要なことが多いです。また、身寄りのない方の場合にはNPOや任意団体に資産承継を希望される場合もありますが、遺言以外では実現することが困難といえます。遺言の文言にも注意する必要があるので弁護士に相談するメリットが高いです。
適切な解決手段の選択
遺産の紛争において対立がある場合には、遺産の使途不明金、被相続人からの生前の贈与(特別受益)、被相続人に対する療養看護(寄与分)等が複雑にからむ案件が少なくありません。事案に応じて争点を整理し、主張すべき事項、立証すべき事項を議論するには専門的知識が豊富な弁護士に相談する必要があります。
相続・遺言・財産管理で気になるポイント
生命保険について
亡父の相続人のうち長男が受取人指定を受けて生命保険を受け取っています。生命保険は遺産になりますでしょうか。生命保険金の受取人が指定されている場合には受取人(長男)は被相続人の権利を承継するのではなく、保険契約に基づく生命保険金請求権という固有の権利を取得します。そのため、生命保険金は遺産分割の対象にはなりません。また、最高裁判例(最決平16.10.29)によれば原則的には特別受益にも該当しません。ただし、保険契約の保険金額、保険金額の遺産総額に対する比率、被相続人と受取人との関係、各相続人の生活実態等の事情によって例外として特別受益と評価される事案もあります。
アパートの相続について
亡父は賃貸用アパートを所有しており長男がアパートの相続をすることになります。亡父の死亡後のアパートの賃料も長男が相続することになるのでしょうか。最高裁判決(最決平17.9.8)は、遺産である賃貸不動産を使用管理した生ずる金銭債権たる賃料債権は遺産とは別個の財産であり、共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するとします。長男のみならず他の相続人も相続分に応じて(例えば子が3人ならば3分の1)、賃料債権を取得できることになります。
連名での遺言書の作成について
夫婦に子がなく夫婦で慈善団体に寄付する遺言を一緒につくりたいと思いますがどうでしょうか。民法の規定では共同遺言は禁止されています(民法第975条)。1通の遺言書に連名で署名するのはではなく、夫と妻が別々に所有する財産を慈善団体に遺贈する内容の遺言書を作成するべきです。なお、後日の紛争予防のためには公正証書遺言にして遺言執行者も指定しておくのが望ましいといえます。
相続・遺言・財産管理の流れ
必要なもの・準備するもの
メモ
被相続人との関係が分かる家系図、遺産の内容、法律相談に至るまでの経過などのメモは法律相談を効率化し、事件解決の見通し、争点の確認など、個別・具体的な助言をするために必要です。
相続関係資料
相続関係資料(戸籍謄本、除籍謄本、住民票など)は相続人の範囲、被相続人との関係性、利害関係人の有無等を確定するために必要です。
財産資料
財産資料(通帳、不動産登記簿、固定資産評価証明書など)は相続や管理の対象となる財産の範囲、内容、評価額、管理状況等を確定するために必要です。
実印・印鑑登録証明書
相続手続の際には、実印と印鑑登録証明書が必要となりますので、予めご用意していただくとスムーズです
よくある質問
相続人の一部がどこにいるか分からないため、話し合いができない。
相続人調査をして住民票上の住所は調べられるので、そこにお手紙を出すなどして接触を図ることは可能です。
被相続人は負債があったので相続したくない。
家庭裁判所にて相続放棄の手続きをとる必要があります。3か月以内という期限がありますので、注意が必要です。
話し合いがまとまらない。
弁護士が介入することでまとまることもありますし、遺産分割の調停を申し立てることができます。
遺言を残したいが、どのような内容にしたら良いか。
遺留分に配慮しながら、遺言を作ることが大切です。また、できる限り公正証書遺言を作成することをお勧めしています。