2024年12月2日に健康保険証が廃止され、マイナンバーカード保険証に切り替えられます。
この記事を書いたのは:高橋 寛
この記事では、従来の健康保険証に代わって、マイナンバーカードと健康保険証が一体化されたマイナンバーカード保険証(マイナ保険証)について解説します。
1 愛知県春日井市に住む会社員のAさんは47歳になります。Aさんは健康保険証を持っていますが、 マイナンバーカードを持っていません。
ところが、報道で、2024年12月2日に健康保険証が廃止されて、今後はマイナンバーカード保険証(マイナ保険証)に切り替えられたというので、自分が安心して医療機関で受診するには、どのような手続きをしておけば良いのか気になります。
1 マイナンバーカードはどのようなものでしょうか。
マイナンバーカードは、数字12桁の個人番号が記載された日本のICカード身分証です。
正式名称は「個人番号カード」といいます。
2024年11月末現在で、人口の76.3%に当たる9534万人がマイナンバーカードを保有しています。
マイナンバーカードの発行者は、市町村・特別区です。
マイナンバーカードの発行が始まったのは、2016年1月からですから、発足してまだ10年経っていません。
マイナンバーカードの交付を受ける対象者は、個人番号を持っている人です。
具体的には、日本在住の日本国籍を有する人、在日外国人、および個人番号を持って国外に転出した日本人です。
マイナンバーカードの交付を受けるための手数料は無料です。ただし、カードに顔写真を貼り付けるための写真代は別途かかります。
マイナンバーカードの有効地域は、日本国内です。
マイナンバーカードの有効期間は、
18歳以上の者は、発行の日から10回目の誕生日までです。
18歳未満の者は、電子証明書発行の日から5回目の誕生日までです。
マイナンバーカードの目的は、身分証明書・電子証明書です。
2 健康保険証の廃止
2024年12月2日に従来の健康保険証は廃止されます。
この12月2日以降は、新規の健康保険証は発行されません。
この12月2日より前に発行された健康保険証は、その保険証に記載されている有効期間までは、これまで通り使用できます。
3 マイナンバーカードに健康保険証を紐づけして、マイナ保険証とすることによって、次のようなメリットが発生します。
① 医療費が高額になる場合に申請する「限度額適用認定証」を省略できます。
そのため、急に入院することになった場合、あわてて「限度額適用認定証」の発行を受ける必要がなくなります。
② 就職や転職後の健康保険証の切り替えや更新が不要になります。
➂ 70歳以上の高齢者受給者証の持参が不要になります。
4 マイナンバーカードに健康保険証を紐づけする。
マイナンバーカードを持っているだけでは、2024年12月2日になったからといっても、
それだけでは健康保険証として利用することはできません。
マイナンバーカードを健康保険証として利用するためには、スマートフォンアプリの「マイナーポータブル」から申し込むことができます。
アプリ操作が苦手な人は、医療機関・薬局窓口で、顔認証つきカードリーダーから申し込むこともできます。
医療機関や薬局の窓口にマイナンバーカードを持参すれば、受付担当者が親切に申込み方法を教えてくれますから、簡単にマイナ保険証の手続きができます。
5 マイナンバーカードを持っていない人は、この12月2日以降、どうすればいいのでしょうか。
マイナンバーカードを持っていない人は、新たに発行される「資格確認書」の発行を受けて、この資格確認を使って、医療機関で受診することができます。
マイナンバーカードを持っていない人や、マイナ保険証の利用登録をしていない人には、保険者から資格確認書が発行されます。
この資格確認書を医療機関の受付窓口に提示すれば、健康保険証と同じように保険で受診できます。
資格確認書は、保険者によって様式や発行手続きが違います。
資格確認書の交付を受けておきたい場合は、職場の庶務担当者か保険者の担当者に申し出て、対処してもらえば良いと思います。
6 マイナンバーカードに限らず、行政手続きなどでお困りの際は、経験豊富なスタッフが対応させていただきますので、お気軽に旭合同法律事務所へお声掛けください。
この記事を書いたのは:
高橋 寛